CJ Brandとは
CJ Brandは、「品のある日常」を実現するロールモデルとなる商品を、委員会、産地・作り手、地域と話し合いながら生み出すプロジェクトです。
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コンセプト
CJ Brand vol.1のコンセプトは、「InSight -ルッキズムの奥にあるもの」です。
表面的な美しさだけに目を向けるのではなく、その奥にある文化や想いを探る視点を提案します。
仏具や多肉植物のように、一見華やかなデザインも、実は日本文化が育んだ造形美の結晶。
その背景を知ることで、単なる「外見至上主義」ではなく、文化や歴史の集大成としての深みが見えてきます。外見の奥に秘められたストーリーに目を向けると、ものづくりや人の思いが新しい形で浮かび上がります。
私たちの視点
今回は、「仏具」と「多肉植物」に焦点を当てたテーマでお届けします。一見、全く異なる存在に思える両者ですが、実は意外な共通点があるのをご存じでしょうか?
まず、仏具についてです。仏具とは、仏教の儀式や日々の礼拝で使用される道具や器具を指します。
今回はその中でも、お香を焚くための器具である「香炉」に注目しました。
香炉は、仏教文化を象徴する重要なアイテムであり、特に富山県高岡市は仏具製造の一大拠点として知られています。高岡市は鋳物の街として400年以上の歴史を持ち、日本国内の仏具シェアの約9割を占める伝統と技術が息づく地域です。
一方、多肉植物とは、葉や茎、根に水分を蓄える性質を持つ植物の総称です。
乾燥した過酷な環境でも生き延びるために進化した多肉植物は、ぷっくりとした厚みのある葉や茎が特徴的で、そのユニークな姿は多くの人々に親しまれています。
実は、多肉植物(特にサボテン)は江戸時代ごろから日本でも育てられ始め、その魅力は今なお進化し続けています。近年では、希少な種類が高価なコレクターズアイテムとして注目を集めています。
仏具と多肉植物、この二つに共通するのは、どちらも「歴史的な背景」を持ち、さらに「造形的な美しさ」を兼ね備えている点です。それぞれが持つ深い文化的背景と独特の美しさは、時代を超えて多くの人々の心を惹きつけてきました。仏具の静寂なたたずまいと、多肉植物の生命力あふれる形状。この対照的でありながらも共鳴する美しさを改めて感じていただければ幸いです。
ただ美しいだけではなく、深い歴史的背景を持つ仏具。その一方で、多肉植物は現代のトレンドとして多くの人々に愛されています。しかし、仏具業界は厳しい現実に直面し、衰退の道を歩んでいるのに対し、多肉植物はそのユニークな外見と育てやすさから大きなブームを巻き起こしています。
この対照的な状況の中で、仏具と多肉植物を組み合わせることで、
私たちは新たな価値を提案します。
今回のテーマに関連する「ルッキズム」という言葉。これは外見や身体的特徴に基づいて他者を評価・差別する思想や社会現象を指します。差別はもちろん許されるべきではありません。しかし、モノや人の本質(内面や歴史)が、外見という形で反映される場合もあります。外見にすべてを依存して判断するのは誤りですが、外見もまた価値を評価する一つの要素であることは事実です。
ここで問いかけたいのは、「行き過ぎたルッキズムは私たちを本当に豊かにするのか?」ということです。美しいものを単に外見だけで判断するのではなく、その背景や本質を理解した上で外見に目を向けること。それがモノや人を本当に深く評価し、選び取るための豊かな視点になるのではないでしょうか。
商品紹介
仏具が持つ歴史や伝統、多肉植物の自然が織りなす造形美。それぞれの外見は、それを支える背景と切り離せません。私たちが注目したいのは、これらが持つ「核」と「表層」の両面です。表層だけにとらわれず、その背後にある物語や価値を知り、その上で選択すること。それが、私たちの暮らしをより豊かにしてくれると信じています。
幸せにはさまざまな形がありますが、私たちはそれをいくつかのカテゴリーに分類してみました。その中でも、最上の幸せとは「自己受容」であると考えます。自分自身がそのままで十分に尊く、価値があると気づけること。それこそが本質的な幸せではないでしょうか。
この自己受容を支えるために、私たちは3つの幸せの要素を挙げました:
自己成長と達成感自分自身の成長を実感し、何かを成し遂げる喜び。
他者とのつながりと愛情人と人との絆が生む安心感や、愛されること、愛することの大切さ。
リラクゼーションと感覚的な満足心と身体を休める時間や、五感が満たされるひとときがもたらす豊かさ。
自己受容
美を極限まで追求した結果、何もない「坊主」の姿になってしまったランポ。そのシンプルさは、美しさの本質が形や装飾にあるのではなく、無垢で何も足さない状態にこそ宿ることを物語ります。また仏具のモチーフとなっている釈迦。 釈迦が残した「天上天下唯我独尊」という言葉は、見た目や条件を超越した存在の尊厳を示すもの。美とは何なのか、人間の価値とは何なのか――。 そんな問いを静かに投げかかる商品。
逆境からの昇華
毒を喰らい美しく羽ばたく孔雀は、逆境を糧に自己を高める姿を象徴する。
一方、パキポディウムの突然変異は、努力の蓄積が一瞬で花開く自己変容を示し、困難を超えた学びが達成感をもたらすことを教えてくれる。両者に共通するのは、逆境を力に変えて成長し、意義ある成果を得る歓びだ。自己を磨く挑戦への道標、要となる。
芽吹く木綱と共鳴の声
大地の奥底から静かに息づき、緩やかに成長する亀甲竜。
その堅牢な形態は、長い時を経て築かれる強固な絆を象徴します。
また、ふくよかな香りを放つ梅花と鶯の清らかな声は、慈しみ合う関係がいよいよ開花し、響き合う歓びを描き出します。この組み合わせは、深まる関係性から生じる共鳴と感謝の念を、気品ある空気感の中にそっと織り込み、上質な空間へと昇華する特別なテーマとなっています。
心の平穏と洗練された触感
少なランポヒダの交配によって生まれた、その独自のフォルムと、磨き上げられた真鍮の滑らかな質感が織りなす情景は、視覚と触覚の次元で穏やかな悦びをもたらします。
精緻に設計された美しさは、触れるたびに心を静かに整え、微細な感覚にまで洗練された安らぎを宿します。ここに生まれるのは、何気ない日常から高度な審美性へと昇華する体験――深いリラクゼーションと満たされた充足が、上質な時間を包み込みます。
つくり手
【ハシモト清】 富山県高岡市で昭和20年(1945年)から続く神仏具メーカー。
『ハシモト清』がある富山県高岡市は、真鍮製仏具全国シェアが9割と、国内における神仏具のほとんどを製造しています。
そのような地域の中にあって、弊社は原型制作から鋳造、塗装、彫金など一貫して生産できる体制を管理し、皆様の元へ確実な商品お届けしています。
取り扱う商品は様々で小型で1cmの仏像(1円玉の半径サイズ)や大型の10m以上の仏像から、伝統着色や、彫金、螺鈿、蒔絵などの加工も得意としています。
【ERIOQUEST】
当店は、南アフリカの希少な珍奇植物を専門に取り扱うお店です。
すべての植物には「血統書」を付けており、どのような背景を持つ植物なのかを明確にご確認いただけます。植物のルーツにこだわるお客様にも、安心してお選びいただける環境を整えております。
高知県から、信頼の実生株を全国へお届け。確かな品質と誠実な対応で、植物との豊かな暮らしをサポートいたします。
最後に
今回のCJ Brandは仏具と多肉を組み合わせ、ルッキズムに関する商品開発を行いました。
この目的は行き過ぎたルッキズムが本当に豊かさをもたらすのかを考えることです。外見だけでなく、その背景や本質を理解した上で評価することが、より深い視点を生み出す鍵となるでしょう。
今回の提案を通じて、外見だけではなく本質を見つめ直し、仏具や多肉植物の新しい価値を一緒に感じていただければと思います。
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